覇権の終わり 2014 4 27

 オバマ大統領は、覇権の維持をどう考えているでしょうか。
歴史的には、覇権を維持する方法は、二つあります。
 ひとつが軍事力です。
しかし、オバマ大統領は、核兵器なき世界を主張し、
さらに、世界の警察官をやめると宣言し、
実質的に軍事力を放棄しています。
 ウクライナ危機では、オバマ大統領は、
早々と軍事力行使の可能性を排除しました。
 実は、覇権の維持には、もうひとつの方法があります。
それは、高度な文明を築くことです。
文化や芸術、あるいは思想で文明の高まりを演出して、
覇権を維持することができるのです。
ローマ帝国には、そういう文明がありました。
 しかしながら、オバマ大統領は、
文化や芸術に理解があるとは思えません。
 アメリカといえば、
ハンバーガーにコーラを連想するかもしれません。
さすがに、そういうものは、文明の分類には入りません。
 これは、私が言っていることではなく、
時々、欧州方面から聞こえてくる「陰口」です。
 結局、何が言いたいのかというと、
覇権を維持するために、
アメリカは、圧倒的で強力な軍事力を維持し、
「強いアメリカ」を誇示すべきです。
 しかしながら、オバマ政権になってから、
意図的なのか「弱いアメリカ」を演出しています。
残念なことに、覇権の終わりを感じざるを得ません。
 アメリカの覇権を終わらせることが、オバマ大統領の使命だった。
後世の歴史家は、そう書くかもしれません。
 かつて、中国は、文化の力で、世界を照らした時代がありました。
今の中国からは、とうてい想像もできないでしょうが、
確かに、そういう時代もあったのです。
 文明というものは、一方通行ではありません。
進化するだけでなく、退化することもあるのです。
 私が好きな漢詩を紹介しましょう。
今の中国人には、この漢詩の価値がわからないかもしれません。

李白 「送友人」

 青山横北郭
 白水遶東城
 此地一為別
 孤蓬万里征
 浮雲遊子意
 落日故人情
 揮手自茲去
 蕭蕭班馬鳴

街の北方には、青々とした山が横たわり、
東方には、夕陽を受けて、白く輝く川が流れている。
今、この地に別れを告げて、
一本のよもぎが、風で飛ばされていくように、
君は、遙か彼方へと旅立っていく。
ぽっかりと空に浮んでいる雲は、旅立つ君の心のようであり、
沈みかけている夕陽は、私の心を表わしているようでもある。
馬のいななきが、別れの悲しみを告げる。












































































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